はじめに
「毎日ノートを取っているのに、なぜか成績が上がらない…」「復習でノートを見返しても、どこが重要なのかわからない…」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。実は、ノートの取り方一つで学習効果は劇的に変わります。
現役東大生の片山湧斗氏が100人以上の東大生のノートを独自調査した結果、「頭のいい人」には共通するノート術があることが判明しました。本記事では、その驚くべき手法を具体的に解説していきます。
東大生の驚きの発見:「ノートはアウトプットのため」
一般的なノート vs 東大生のノート
一般的なノートの目的
- 板書を写して「記録」する
- 後から見直すための「インプット」
東大生のノートの目的
- 学んだ内容を「再現」できるようにする
- 試験で活用するための「アウトプット」
東大生は「アウトプット」のためにノートを取っています。「インプット」というのは、情報を自分の中で整理して頭に入れることです。逆に「アウトプット」というのは、インプットしたことを自分の頭の中から外に出すことを言います。
つまり、東大生は「あとから見返すため」ではなく、「試験で説明できるようになるため」 にノートを取っているのです。
「再現性」が最重要キーワード
東大生100人以上にアンケートをとってどのようなノートを作っているのかを調査したり、東大生のノートやメモを集めてその知識収集の方法を調べたりしているのですが、その中で1つ見えてきたのが「再現性」というキーワードでした。
「再現性のあるノート」とは、後から見たときに授業や教材の内容が頭の中で完全に再現できるノートのことです。これこそが、東大生の学習効率の秘密だったのです。
東大生実践!7つの黄金法則
太田氏いわく、東大生のノートは目的が明確で、効率を重視したものになっているとのこと。そんな彼らのノートの共通点として、太田氏は「7つの法則」を見いだしたそう。
法則1:文頭をそろえる
- 大見出し:左端から書く
- 小見出し:左端から1〜3マス分空けて書く
効果:情報の階層が一目でわかり、復習時の効率が格段にアップします。
法則2:コピーを活用する
- 書き写す必要がない問題文などは、コピーをとってノートに貼る
効果:時間短縮により、重要な思考プロセスの記録に集中できます。
法則3:余白を大きくとる
- 文字をノートの隅から隅まで書き込まない
効果:余白は復習時に新しく気づいたことを書き込むのに最適でした。
法則4:インデックスをつける
- ページの左上に単元名・科目名などタイトルを書く
効果:どこに何が書いてあるのかがわかりやすくなります。
法則5:ページごとに内容を区切る
- 片ページか見開き1ページごとに、ひとつの内容・事柄をまとめる
効果:情報が混在せず、理解しやすくなります。
法則6:フォーマットを統一する
- 自分なりのルールに沿ってノートをとる
効果:一貫性により、学習時の認知負荷が軽減されます。
法則7:ストーリーを意識する
- ページの中で言葉同士がストーリーとしてつながるようにまとめる
効果:単なる箇条書きではなく、論理的な流れで記憶に定着します。
東大生の秘密兵器:「矢印」の使い分け術
東大生のノートには矢印が多いです。東大生は情報の関係性を4つの記号で明確に表現しています。
1. 同値関係:「=」
- 同じ意味の内容を表す
- 例:「民主主義=people’s government」
2. 対立関係:「↔」
- 反対の関係にあることを表す
- 例:「資本主義↔社会主義」
3. 因果関係:「→」
- 原因と結果の関係を表す
- 1873年イギリス不況→植民地を欲する →1874年 第2次ディズレーリ保守党内閣が成立
4. 補足関係:「―」
- 付け足しの情報であることを表す
- 例:「RNA ― リボ核酸」
「ツッコミ」でさらに理解を深める
多くの東大生は、自分のノートにツッコミを入れているんです。
- わかりにくい部分に矢印(←)を引いて補足情報を書き足す
- 重要ポイントの下線に矢印をつけて「なぜ重要なのか」を明記
効果的な色分けルール
東大生女子の実践する色分けルールをご紹介します。
基本の3原則
1. 色数は最小限に(3〜4色まで)
ノートはカラフルにしすぎてしまうと、かわいらしくはなりますが見やすくはなりません
2. 色の意味を事前に決める
- 赤:最重要ポイント
- 青:キーワード・専門用語
- 緑:補足・例外
- オレンジ:見出し
3. 統一性を保つ
同じ色は同じ意味で使い続ける
おすすめ色ペン組み合わせ
基本セット
- 黒(本文)+ 赤(重要)+ 青(キーワード)
4色セット
- 黒 + 赤 + 青 + オレンジ
NGな色
- 緑色のマーカーは絶対NG(見づらいため)
最強の暗記コンビ:「オレンジ×赤下敷き」
東大生がノート作りで「オレンジのペンと赤の下敷き」を最強と呼ぶワケ
使い方
- 覚えたい部分をオレンジペンで書く
- 赤い下敷きを重ねると文字が見えなくなる
- 「自分だけの問題集」の完成
科目別ノート活用法
数学:「真ん中に縦線」手法
東大生は「真ん中で線を引いたノート」を取っている場合が多いということです。特に数学のノートを取っているときは、真ん中に一本縦線を引いて、ノートを右と左に分けて使っている場合が多いんです。
使い方
- 左側:問題文・公式
- 右側:解法・計算過程
効果:情報が縦に流れ、整理しやすくなります。
国語:3分割活用法
古文・漢文では上下に開いて二段に分け、合計三つのゾーンに分割
- 文章ゾーン:原文
- 語彙ゾーン:単語・読み方
- 知識ゾーン:時代背景・作品の意義
英語:構文分析重視
- 主語・動詞・目的語を色分け
- 構文パターンを矢印で明示
- 慣用表現は枠囲みで強調
暗記に効く3つの特別ノート術
1. メモリーツリー(用語暗記用)
用語をまとめて覚えたいなら……「メモリーツリー」
作り方
- 中心にメインテーマを書く
- 枝分かれさせて関連用語を配置
- さらに細かく分岐させて詳細情報を追加
2. 間違いノート(苦手克服用)
苦手分野について重点的に覚えたいなら……「間違いノート」
作り方
- 間違えた問題をそのまま貼り付け
- なぜ間違えたかの原因分析
- 正しい解法・考え方を記録
- 類似問題での注意点を追記
3. コーネル式ノート(読書・講義用)
フォーマット
- Note欄(右側2/3):学習内容を書く
- Cue欄(左側1/3):キーワードや要点
- Summary欄(下部):まとめ
進歩管理の東大流メソッド
To do / Doing / Done管理法
To do(やること)、Doing(やっていること)、Done(やったこと)の3つにノートを分割し、そこにやることを書いた付箋を貼っていきます。さらに、縦軸で優先順位をつけることで、一目で今やるべきことがわかるようになっています。
使い方
- ノートを3列に分割
- 付箋に学習項目を記入
- 進捗に応じて付箋を移動
- 縦軸で優先順位を設定
避けるべきNG行動
❌ 美しさを追求しすぎる
結論として、ノートを綺麗にまとめようとしている限り、あなたの成績は上がりません。
理由
- ノート作成に集中しすぎて授業に集中できない
- 「きれいに書けた」ことで満足してしまう
- 本来の目的(理解・記憶)から逸れる
❌ 板書の完全コピー
よくある間違ったノートの取り方は、先生がまとめた黒板の板書をそのまま書き写す、コピーしてしまうことです。
改善法
- 自分の言葉で「言い換え」る
- 重要度に応じて「取捨選択」する
- 関連性を「矢印」で明示する
❌ 色の使いすぎ
5色以上使うと逆に見づらくなります。
実践のための3ステップ
Step 1:目的を明確にする(1週間)
まず「何のためにノートを取るのか」を明確にしましょう。
質問リスト
- 定期テスト対策用?
- 入試対策用?
- 理解促進用?
- 復習効率化用?
Step 2:7つの法則を1つずつ導入(4週間)
週に1〜2個ずつ法則を取り入れていきます。
Week 1:文頭揃え + 余白確保 Week 2:インデックス + ページ区切り Week 3:フォーマット統一 + コピー活用
Week 4:ストーリー意識
Step 3:矢印と色分けをマスター(2週間)
4つの矢印記号と3〜4色の色分けルールを確立します。
成功事例:偏差値35→東大合格の実例
現役東大生の西岡壱誠氏は、このノート術により偏差値35から東大合格を実現しました。
Before(従来のノート)
- 板書をそのまま写す
- 色使いが無計画
- 復習時に理解できない
After(東大式ノート)
- 情報を関連付けて記録
- 3色での効果的な色分け
- 一目で重要ポイントがわかる
結果
- 復習効率が3倍向上
- 記憶定着率が大幅アップ
- 偏差値35→東大合格
デジタル時代のノート術
アナログ vs デジタル
アナログ(手書き)の利点
- 記憶への定着効果が高い
- 自由度が高い(図表・矢印が自在)
- 思考プロセスが明確
デジタルの利点
- 検索機能
- 共有が簡単
- バックアップが容易
おすすめアプリ
iPad + Apple Pencil
- GoodNotes 5
- Notability
- OneNote
Android
- Samsung Notes
- Squid
まとめ:今日から始める東大式ノート術
重要ポイント5選
- 目的を明確にする:ノートを取る理由を明確にし、それに応じた取り方を選択
- アウトプットを意識する:後で説明できるレベルまで理解して記録
- 7つの法則を実践する:特に「余白」「文頭揃え」「矢印活用」を重視
- 色は最小限で効果的に:3〜4色に絞り、明確なルールを設定
- 継続的な改善:定期的にノートを見直し、改善点を見つける
明日から始められる具体的行動
今日やること
- ノートを取る目的を書き出す
- 使用する色と意味を決める
明日から1週間
- 文頭を揃えることを意識
- 1ページに30%の余白を確保
来週から1ヶ月
- 矢印4種類を使い分ける
- ページ上部にタイトルを必ず記入
継続のコツ
- 小さく始める:一度に全てを変えようとしない
- 記録をつける:どの手法が効果的か記録
- 仲間と共有:友人とノート術を共有し合う
- 定期見直し:月1回はノート術を振り返る
「頭のいい人」になるためのノート術は、決して特別な才能が必要なものではありません。正しい方法を知り、継続的に実践すれば、誰でも習得できるスキルです。
今日からあなたも東大生のノート術を実践して、劇的な成績アップを実現してみませんか?
本記事の情報は現役東大生への調査結果に基づいています。個人の学習スタイルに合わせて適宜調整してご活用ください。
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