「Wi-Fiが遅い…」そう感じたとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「ルーターの置き場所が悪いのかな?」ということではないでしょうか。
確かに、ルーターの設置場所は通信速度に影響します。しかし、実はもっと根本的な原因が隠れていることが多いのです。
今回は、一般的に知られていないWi-Fi速度低下の「本当の理由」と、その効果的な解決策をご紹介します。
🔍 実は多い!ルーター置き場所以外の原因
最大の犯人:接続方式の問題
Wi-Fiが遅い最も深刻な原因の一つが、接続方式です。多くの家庭では、まだ古い「PPPoE方式」が使用されています。
PPPoE方式の問題点
- 「トンネル方式」と呼ばれるIPv4 PPPoEの場合、回線速度が遅くなる可能性があります。同じ時間に多くの人がIPv4 PPPoE方式でインターネットへ接続すると、NTT基地局からプロバイダへの通信経路となる「網終端装置」へのアクセスが込み合うためです
- 網終端装置が持つ処理能力の限界に達しつつある状況
- 夜間などの混雑時間帯に特に速度が低下
解決策:IPoE方式への切り替え
- 網終端装置を経由せずにインターネットへ接続します。終端装置を経由しない分、輻輳が発生しないため通信速度は安定
- プロバイダーに問い合わせて、IPoE対応プランに変更を検討
見落としがちな電波干渉
家電製品からの干渉
電子レンジやコードレス電話を使っていると、電波干渉が起きることがあります。これらの家電が、Wi-Fiと同じ2.4GHz帯の周波数帯域の電波を発し、Wi-Fiに干渉するためです。
干渉を起こしやすい機器:
- 電子レンジ(使用中のみ)
- Bluetoothスピーカー
- コードレス電話機
- 無線マウス・キーボード
- ワイヤレスヘッドセット
解決策
- 周波数帯の変更:ルーターの電波の周波数帯(チャンネル)を変更するだけで通信状態が改善できることもあります
- 5GHz帯の利用:2.4GHz帯よりも干渉を受けにくい
同時接続台数の限界
見えない接続台数の問題
ルーターに同時に接続できる台数には制限があります。通常は据え置きタイプなら10台以上、モバイルタイプなら5~10台程度までは大丈夫ですが、パソコンやスマートフォン、タブレット、ゲーム機など、家族でたくさんの端末で同時接続しているときは注意が必要です。
意外と多い接続機器:
- スマートフォン・タブレット(家族分)
- パソコン・ゲーム機
- スマートテレビ
- IoT家電(エアコン、冷蔵庫など)
- Amazon Echo、Google Homeなどのスマートスピーカー
解決策
- 不要な端末の接続を解除
- より多くの台数に対応したルーターへの買い替え
- Wi-Fi中継機を設置する方法もあります
⚠️ 機器の老朽化:見た目では分からない性能限界
古い通信規格の限界
Wi-Fiルーターやモデム自体が旧式の場合、そもそも搭載している通信規格の古さが原因の場合もあります。IEEE802.11gだと最大通信速度は54Mbpsですが、IEEE802.11nだと600Mbps、最新規格のIEEE802.11axでは9.6Gbpsとスペックに違いが生じます
LANケーブルの見落とし
LANケーブルも同様で、古い規格だと遅くなり、本来のWi-Fiの通信速度を生かすことができません
🔧 今すぐできる対処法
1. ルーターの再起動
ルーターの電源を切り、しばらく時間を置いてから電源を入れ直すなど、マニュアルに書いてある方法で再起動してみましょう。ルーターの不具合は、この再起動で直ることが多い
2. ファームウェアの更新
不具合はルーターのファームウェアをアップデートすることで解消されることもあります
3. セキュリティソフトの確認
セキュリティソフトを切るとWi-Fi接続が安定するようなら、原因はファイアウォールにありそうです
4. SSID(アクセスポイント)の変更
ひとつのルーターでも、複数のアクセスポイントを使えることがあります。異なるSSIDが使えるかどうかを確認し、端末が多すぎるときは複数のアクセスポイントを使い分けてみましょう
💡 根本的な解決策
接続方式の見直し
- プロバイダーにIPoE対応プランがあるか確認
- 「IPv4 over IPv6」対応の確認(既存サイトも利用可能)
機器の買い替えのタイミング
- 3年以上使用しているルーターは買い替えを検討
- Wi-Fi 6(11ax)対応機器への変更
- LANケーブルもカテゴリー6以上を選択
メッシュWi-Fiの導入
複数の無線LANルーターが網の目のように通信を行います。無線LANルーター同士が互いに通信を補完するため、部屋を移動しても通信が途切れることなく自動的に切り替わる
📊 速度測定で現状把握
簡単な測定方法
「Google スピードテスト」で検索し、「インターネット速度テスト」の項目から「速度テストを実行」することで30秒ほどで簡単に測定完了できます。
用途別の必要速度目安
- メール・SNS:1-5Mbps
- 動画視聴(HD):25Mbps
- オンラインゲーム:50Mbps以上
- 在宅ワーク(ビデオ会議):10-30Mbps
🎯 まとめ:多角的なアプローチが重要
Wi-Fiが遅い原因は、ルーターの置き場所だけではありません。接続方式、電波干渉、機器の老朽化、同時接続台数など、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。
今日からできるアクション:
- ✅ 接続方式(PPPoE/IPoE)の確認
- ✅ 不要な接続機器の整理
- ✅ ルーターの再起動・設定見直し
- ✅ 速度測定による現状把握
根本的な改善のために:
- ✅ プロバイダーのプラン見直し
- ✅ 古い機器の買い替え検討
- ✅ 専門家への相談
一つずつ確認していけば、必ず改善のヒントが見つかるはずです。快適なインターネット環境を手に入れましょう!
この記事が役に立ったら、同じようにWi-Fi速度で困っている方にぜひシェアしてください。みんなで快適なネット環境を作りましょう!
コメント