オープンキャンパスで何を見る?元大学職員が教えるチェックリスト

進路

はじめに – なぜオープンキャンパスが重要なのか

オープンキャンパスは、大学・短大・専門学校がその特色や魅力をキミたちに知ってもらうために、キャンパスを開放して行うイベントのことです。リクルートが2022年に行ったオープンキャンパスに関するアンケートによると、実際に進学した大学のオープンキャンパスに参加した人は全体の71.2%で年々増加傾向にあります。

大学・短大・専門学校の1年生411人にアンケートをしたところ、94.8%が「行ったほうがよいと思う」という結果に。オープンキャンパスは志望校を決める参考になるので、可能ならばぜひ参加してみましょう。

この記事では、元大学職員の視点から、オープンキャンパスで本当に見るべきポイントと効果的な活用方法をお伝えします。

【元大学職員が明かす】オープンキャンパスの裏側

大学側の本音とは?

オープンキャンパスとは、受験を希望する高校生などに、大学の特徴を知ってもらったり、雰囲気を味わってもらうために大学が企画するイベントのこと。パンフレットやWebサイトだけでは伝えられない大学の特徴や雰囲気を、よりリアルに感じてもらうことを目的としています。

気に入ってもらえるように、また、最近ではSNSで拡散していただけるように特に意識して、準備段階から様々な工夫をしますよ。

オープンキャンパスで見えるもの・見えないもの

見えるもの:

  • 施設・設備の充実度
  • 学生や教職員の雰囲気
  • 模擬授業の内容
  • キャンパス全体の雰囲気

見えにくいもの(注意が必要):

  • 普段の授業の実際
  • 日常的な学生生活の様子
  • 就職サポートの実態
  • 教員の普段の接し方

事前準備で差をつける!オープンキャンパス参加前チェック

必須の事前準備

1. 基本情報の収集 オープンキャンパスの前に学校資料を確認して、重点的に見学したい場所、聞きたいことを考えておこう。事前に取り寄せた学校案内パンフレットやホームページなどで基本的な学校情報を調べたら、確認したいこと、質問したいことをリストアップ。

2. 事前予約の確認 学校によっては事前予約が必要なところもある。また、特定のイベントのみ要予約という場合もあるので、必ず学校のホームページでも確認すること。

3. アクセス方法の確認 当日スムーズに参加するためにも、交通手段と所要時間の確認は必須です。初めて訪れる場所の場合、予想以上に時間がかかることもあります。万が一、交通機関に遅延が発生しても間に合うように、複数の路線での行き方も調べておくとベストです。

持参すべきもの

オープンキャンパスに持っていくものは、出かける前に準備しておきましょう。筆記用具、メモやノート、大学のパンフレット、自分のチェックポイントをまとめたもの、駅から大学までの地図、飲み物などを用意しておくと安心です。オープンキャンパスでは意外と配布物が多いので、大きめのバッグがオススメです!

必須アイテム:

  • 筆記用具・メモ帳
  • 大学案内・パンフレット
  • チェックリスト
  • 大きなカバン
  • 飲み物
  • カメラ(撮影可能な場合)

【完全版】オープンキャンパス10のチェックポイント

1. 通学・立地・周辺環境

毎日通う学校だから、学校の場所や通学についてはしっかりチェック。自宅から2時間以上かかる場合は、一人暮らし・寮生活も視野に入れよう。

具体的なチェック項目:

  • 最寄駅からの距離と所要時間
  • 通学定期代
  • 周辺の商業施設
  • 一人暮らし用の物件相場
  • 治安の良さ

2. 学校の雰囲気・校風

オープンキャンパスで、最も見るべきポイントとも言えるのが、「学校の雰囲気」です。高校生が進学先を決めた理由としても毎年上位にランクインしている重要なポイントなんですよ。

チェックポイント:

  • 先生たちのタイプや接し方が自分に合っているか
  • 先輩の在校生がどんな人たちか
  • 校舎全体から感じる雰囲気が通いたいと思えるか
  • 先生と生徒の距離感

3. 施設・設備の充実度

一見すると最新の設備や機器がそろっているように見えても、学生数に対して狭かったり数が足りてなかったりすることもあるので要注意。

重要なチェック項目:

  • 実習室・研究室の設備
  • 図書館の蔵書数と利用時間
  • PC・Wi-Fi環境
  • 学食・カフェテリア
  • 自習スペースの充実度
  • 体育館・運動施設

4. 授業・カリキュラムの内容

オープンキャンパスでは、より具体的にイメージしやすいように授業の体験に参加することができたり、実際に授業で使用している教科書を見せてもらったりすることができます。

確認すべき内容:

  • 模擬授業の質と内容
  • カリキュラムの体系
  • 実習・演習の比率
  • 卒業要件・単位数
  • 資格取得サポート

5. 就職・キャリア支援

質問すべき項目:

  • 卒業生の就職率について教えてください
  • 卒業した学生は、どのような業界に就職しますか?
  • 履歴書の添削や模擬面接を行ってくれますか?
  • インターンシップ制度はありますか?

6. 入試制度・受験対策

オープンキャンパスは入試について直接聞けるチャンス。過去問を配ったり出題傾向の解説をしてくれたりする学校もあるよ。

確認事項:

  • 入試方式と日程
  • 面接の内容と評価ポイント
  • 総合型選抜の詳細
  • 奨学金制度

7. 学費・経済面

質問例:

  • 学費以外にかかる費用はありますか?
  • 奨学金制度について詳しく教えてください
  • アルバイトとの両立は可能ですか?

8. 学生生活・課外活動

チェックポイント:

  • サークル・部活動の活発さ
  • 学園祭などのイベント
  • 国際交流プログラム
  • 学生寮の設備と費用

9. 教員との距離感

先生と生徒がよく会話をしていて困った時は相談しやすそうな距離感なのか、あまり会話はなくどちらかと言うとかしこまった関係性なのか…。どちらが良いかは、あなた自身が決めることですが、ある程度は先生と話しやすい距離感のほうが、入学後困ったときの不安解消にはなるかもしれませんね。

10. 全体的な印象・直感

直感的に「いいな」と思えるかどうかは実はとても大事。そのためにもアンテナを立ててあれこれ見てまわり、在校生や先生とも積極的に話してみよう。

効果的な質問術 – 大学職員が答えたくなる質問とは

先生・職員への質問例

学習面:

  • 〇〇(自分が気になること)を学ぶことができますか?
  • 授業は座学と実習、どのくらいの割合でありますか?
  • 授業でわからなかったところを後で質問することはできますか?

入試面:

  • 面接ではどのような点を見られますか?
  • 例年の入試要件や日程を教えてください
  • 不合格だった場合、もう一度、別の入試方法で受験することはできますか?

就職面:

  • 〇〇の職業が向いているか自信がないのですが、どんなところが大変ですか?
  • 〇〇(国名)に留学したいのですが、提携校はありますか?

在校生への質問例

在校生は、先生とは違う目線でその学校の事をたくさん知っています!あなたに近い立場から見た学校の事を教えてもらうチャンスです。

おすすめ質問:

  • この学校に入学を決めた理由はなんですか?
  • 普段の学校の雰囲気はどのような感じですか?
  • 授業は楽しいですか?分かりやすいですか?
  • アルバイトはしていますか?
  • 課題は多いですか?
  • 先生との距離感はどうですか?

参加後の振り返りと活用法

記録の重要性

オープンキャンパスに参加したら、忘れないうちに記録しておくことが大切だ。次のような観点で感想を残しておくといい。

記録すべき項目:

  • オープンキャンパス参加の背景・目的
  • 参加前と参加後のイメージの変化
  • 印象に残った施設・設備
  • 質問した内容と回答
  • 感じた学校の雰囲気
  • 他校との比較ポイント

複数校比較のコツ

複数の学校のオープンキャンパスに参加したら、なるべく同じ観点で整理しておくことがポイント。後で比較しやすくなり、志望校決定に役立つぞ!

総合型選抜受験者は特に注意!

オープンキャンパス参加の必要性

実は総合型選抜や推薦入試の出願条件に、オープンキャンパスへの参加を義務付けている大学もあります。総合型選抜や学校推薦型選抜を受験する場合、必ずと言っていいほど「面接試験」があります。「なぜこの大学を選んだのですか?」と質問されたとき、オープンキャンパスに参加して施設や設備を見学し、大学生や大学の先生から話を聞いていれば、説得力のある内容を話すことができます。

志望理由書への活用

オープンキャンパスで発見した特徴は志望動機作成に活かせますし、志望動機に厚みを持たせることが出来ます。「この大学で○○に詳しい先生の元で▲▲の施設を使って学びたい」といった形で大学の特徴と志望動機をリンクさせた内容を考えてみましょう。

よくある失敗パターンと対策

やってはいけないこと

1. スマートフォンの使用 案内中はスマートフォンを使用しないようにしましょう。

2. 不適切な服装 私服の場合は、清潔感があり、適度な露出を避けた服装を選んでください。タンクトップやショートパンツなどのカジュアルなものは避けましょう。

3. 質問のタイミング 授業中に質問をする場合は、他の学生や先生に迷惑がかからないように、適切なタイミングで行いましょう。

時間管理のコツ

オープンキャンパスをフル活用するには、朝一番や午前中がオススメです。模擬授業など定員のあるプログラムは、午前中の受付で整理券配布が終了してしまう可能性もあります。

【チェックシート付き】当日の行動指針

タイムスケジュール例

9:00-9:30 受付・資料収集 9:30-10:30 全体説明会 10:30-11:30 キャンパスツアー 11:30-12:30 模擬授業参加 12:30-13:30 学食体験 13:30-14:30 個別相談 14:30-15:30 施設見学(自由時間) 15:30-16:00 まとめ・質問

効率的な回り方

盛りだくさんなプログラムの中から「これだけは絶対に知りたい」ことを決めておこう!先生や在学生による個別の相談会や、少人数のグループごとに行うキャンパスツアーなども人気が高く、待ち時間がかかることも考えられます。

まとめ – オープンキャンパスを最大限活用するために

オープンキャンパスは志望校選びに役立つ、生の情報がたっぷり詰まったイベント。部活や宿題が忙しい人も、受験学年に進級する前に一度は足を運んでほしい。

成功のポイントまとめ:

  1. 事前準備を怠らない – 基本情報の収集と質問リストの作成
  2. 積極的に質問する – 先生・職員・在校生との対話を重視
  3. 複数校を比較検討 – 同じ観点で整理して後で比較
  4. 記録を残す – 参加後すぐに振り返りをメモ
  5. 直感も大切にする – 数値だけでは測れない雰囲気を感じ取る

オープンキャンパスは将来の夢を叶える場所を選ぶためにとても大切なイベントです!「体験授業」や「施設見学」など楽しい内容ばかりなので、ぜひたくさんの学校のオープンキャンパスに参加してみましょう!そして、疑問に思ったことは積極的に質問して、あなたにぴったりな学校を見つけてくださいね!

入学後は何年間も毎日通うことになる場所だからこそ、オープンキャンパスに参加して未来の自分を具体的にイメージしておくことはとても大切なんだね。


本記事は2025年8月時点の情報に基づいて作成されています。オープンキャンパスの詳細については、各大学の最新情報をご確認ください。

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