はじめに:対等な関係性の大切さ
結婚を考える時期になると、「相手をより良いパートナーに」という思いを抱く方も多いでしょう。しかし、本当に大切なのは相手を「変える」ことではなく、お互いが成長し合える対等な関係を築くことです。この記事では、結婚前から意識したい健全なパートナーシップの育て方について解説します。
なぜ結婚前の話し合いが重要なのか
考えや気持ちを伝え合う話し合いは、お互いを深く理解するために欠かせないものです。結婚前にしっかりと価値観を共有することで、結婚後の生活をよりスムーズに始めることができます。
お付き合いを続けるなかで、じっくりと膝を付き合わせて結婚や結婚後の生活について話し合う機会がなかったという人も多いのではないでしょうか。お互いに「結婚したい」という思いは同じでも、個々の人間である以上、細かな部分では考え方が違っていて当然です。
結婚前に話し合いたい8つのテーマ
1. お金に関する価値観
お金についての考え方のすり合わせは避けては通れないようで、実際に、卒花の皆さんも、結婚前に「家計の管理」について話し合ったという人は過半数を占めました
話し合うべき具体的な内容:
- 現在の収入と貯蓄状況
- 家計管理の方法(共同口座か個別口座か)
- 何にお金をかけたいか、節約したい部分
- 将来の貯蓄計画
2. 家事分担について
・どの程度家事ができるのか ・家事の中で得意なことは何か ・家事を分担することに抵抗はないか などは、結婚前に話し合っておくといいでしょう。
現代では共働きが当たり前になっているため、家事分担は重要な話題です。お互いの得意分野を活かした分担を考えましょう。
3. 子どもに関する考え方
- 子どもを希望するかどうか
- 希望する場合の人数やタイミング
- 子育てに対する価値観
- 仕事と育児のバランス
4. お互いの家族との関わり方
家族に関する価値観とは、お互いの家族との関わり方のレベルのこと。
- 親や兄弟との関係性
- 家族のイベントへの参加度合い
- 将来の介護に関する考え方
5. 仕事・キャリアについて
- お互いのキャリア観
- 転勤や転職への対応
- 出産・育児とキャリアの両立
6. 住む場所について
結婚してから、どこに住みたいと思っているのかも聞いておくといいでしょう。新居を選ぶ際は、お互いの通勤時間を考慮して住む場所を決める必要があります。
7. 倫理観・価値観について
じつは、お互いに当たり前と思いがちがちな倫理観や宗教観に関する価値観も、結婚前に話し合っておきたいポイントのひとつ。
- 絶対に許せないこと
- 時間に対する価値観
- 清潔感や生活習慣について
8. 記念日や特別な日の過ごし方
- どの程度記念日を重視するか
- お互いの誕生日の過ごし方
- 結婚記念日への考え方
効果的な話し合いのコツ
タイミングを見極める
話し合いは、お互いの状況が落ち着いていて、なおかつ前向きに話ができそうなときに切り出しましょう。多忙で睡眠時間の確保がままならないときや体調を崩しているときなどは、落ち着いて話し合うことが困難といえません。
相手を理解する姿勢を持つ
話し合いにおいて大切なのは、まずは相手の価値観を理解しようとする姿勢を見せることです。
価値観を押し付けるのではなく、話し合いをした上でお互いが妥協点を見つけることが結婚生活を維持していくうえでとても重要なのです。
健全なコミュニケーションの築き方
アサーティブな伝え方を身につける
対話の原則は、「アサーション」と言って、相手も自分も尊重した上で、正直に伝え合うこと。
自己主張には4つのタイプがあります:
- 主体的に「私はこう思う」と正直に主張するタイプ
- アグレッシブに「あなたはこうだ」と攻撃的に主張するタイプ
- 受動的で言いたいことを我慢してしまう非主張タイプ
- 諦めて、対話を回避するタイプ
理想的なのは1番目の「私はこう思う」という形で、相手を否定せずに自分の気持ちを伝える方法です。
Iメッセージを使う
自分の気持ちを伝えるコミュニケーション方法は、2つあります。『YOUメッセージ(ユー メッセージ)』と、『Iメッセージ(アイ メッセージ)』です。
YOUメッセージの例: 「あなたはいつも〇〇してくれない」
Iメッセージの例: 「私は〇〇してもらえると嬉しい」
Iメッセージを使うことで、相手を責めずに自分の気持ちを伝えることができます。
信頼関係を築くために
日常的な感謝の表現
感謝の表現は、パートナーへの感謝の気持ちを直接的に伝えることにあります。毎日の小さなことでさえ、感謝の言葉を伝えることが、相手にとってどれほど意味深いかを決して見過ごしてはなりません。
相手の成長を支える
最高のパートナーシップを築いていくために、2人ともに譲れないことも出てくるかもしれません。このリストを作るという作業そのものが、互いが大切にしている価値観を話し合うことや、2人の中で妥協点を持つこと、新しい考えを見つけていくという価値あるものになります。
パートナーシップにおける注意点
「変える」という発想を手放す
どうしてわかってくれないんだろう。変わってほしい。このような気持ちを抱くのは自然ですが、パートナーも自分も、人は急には変わらない。だからこそ、環境を変えて、考え方や見方を変えて、少し諦め少し手放し、受容範囲を広げていく。それを繰り返す日々の積み重ねで、歩み寄っていくことができるようになるはずです。
相手のパーソナルスペースを尊重する
カップルとはいえ、相手の好みや趣味に対して余計な干渉をするのはご法度です。ふたりが何でも話し合える仲だったとしても、お互いに一定の距離感を保ち、むやみにパートナーのパーソナルスペースに踏み込まないようにしましょう。
継続的な関係改善のために
定期的な話し合いの場を設ける
あるカップルは、互いに忙しい生活の中で時間を見つけて週に一度のディスカッションタイムを設けました。この時間では、お互いの悩みや目標を話し合い、サポートし合うことを心掛けました。その結果、関係が劇的に改善し、信頼と理解が深まりました。
共通の時間を大切にする
パートナーとの関係改善の第一歩は、『食事や共通の趣味を楽しむ』ことです。特に忙しい日常の中で時間を見つけ、2人で共有する瞬間を大切にすることが重要です。
まとめ:共に成長するパートナーシップを
全く同じ価値観を持っているふたりも素敵ですが、異なる価値観をもつふたりが歩み寄っていこうという気持ちやその過程が、さらに絆を深めてくれます。
真の意味で「最高のパートナー」とは、一方的に相手を自分の理想に合わせることではなく、お互いが尊重し合い、成長し合える関係を築くことです。結婚前のこの時期こそ、対等で健全なパートナーシップの基盤を作る大切な時間と捉え、お互いを理解し合う努力を続けていきましょう。
一緒に家族をつくっていくということは、一朝一夕にはできないからね。家族と正直に向き合いながら歴史を紡いだ先に見えるのは、深い信頼と絆です。
健全な関係は、相手を「しつける」ものではなく、お互いが自然に成長し合える環境を作ることから始まります。この記事が、素晴らしいパートナーシップを築く参考になれば幸いです。
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