結婚して数年が経つと、いつの間にか夫婦間での親密な時間が減っていることに気づいた経験はありませんか?セックスレスは単なる身体的な問題ではなく、夫婦の心の距離が広がっているサインかもしれません。
今回は、セックスレスの背景にある心理的要因を理解し、夫婦がもう一度ラブラブな関係を取り戻すための具体的なステップをご紹介します。
セックスレスの現状と心理的背景
想像以上に多いセックスレス夫婦
実際のアンケート調査によると、新婚カップルの44.5%が「セックスレスと感じることがある」と回答しており、約5人に2人の妻が”新婚レス状態”を感じているのが現実です。
また、35歳~45歳の働く既婚女性100人へのアンケートでは、約半数の女性が夫とのセックスはほとんどないと回答し、年に数回という回答も含めると全体の61.4%がセックスレス状態にあることが分かります。
セックスレスの定義
日本性科学会が定めた「セックスレスの定義」によると、「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上ないこと」とされています。
これは挿入を伴うセックスだけでなく、キスやペッティング、ベッドでの裸のスキンシップなども含まれます。
セックスレスが起こる心理的要因
1. ストレスと疲労による影響
夫が仕事や家庭の責任に追われる中で、ストレスや疲れがたまると、性欲が自然と減退することがあります。特にストレスホルモンであるコルチゾールが増加すると、性欲に関係するテストステロンの分泌が抑えられることが医学的にも確認されています。
2. マンネリ化と関心の低下
長く一緒にいる夫婦の中には、相手に対する関心が薄れてしまうケースもあります。日々の忙しさやマンネリ化が原因となり、パートナーを「異性」として意識する機会が少なくなってしまうのです。
3. コミュニケーション不足
パートナーへの関心の低下は、日常の会話やスキンシップの不足から始まることが多いとされており、これが夫婦間の溝を深める要因となります。
4. 家族としての認識
子どもが生まれてから、恋愛対象ではなく家族として見てしまうようになり、したいという気持ちがわいてこなくなったという声も多く聞かれます。
夫婦関係修復の第一歩:コミュニケーションの再構築
まずは話し合いから始める
相手の気持ちを自分で推し量らず、夫婦できちんと話し合うことが、セックスレスの解消の第一歩です。日本人の夫婦は、子作りのプランニングに関わるセックスの話はできているけれど、夫婦の絆を深めるコミュニケーションのためのセックスについては、話し合いされてない方がほとんどというのが現状です。
修復への意欲を伝える
あなたがパートナーと関係を修復したいのであれば、そのことを、きちんと相手に伝えましょう。「最近、夫婦関係が冷え切っているけど、向こうもこのままでいいと思っているんだろうな」と思われてしまっては、修復できるものもできなくなってしまいます。
もう一度ラブラブになるための5つのステップ
ステップ1:日常的なスキンシップから始める
セックスレスになるかならないかの境目は、日々スキンシップを取っているか取っていないかがポイントになります。数年間セックスがない夫婦でも、スキンシップを取っている夫婦はすぐに再開しやすいのです。
具体的な方法:
- 相手を呼びかけるときに肩をポンポンと叩く
- お疲れ気味の配偶者にマッサージをしてあげる
- ゆっくりくつろいでいるときに隣に座る
- 手を繋ぐ、軽いハグから始める
ステップ2:感謝の気持ちを積極的に表現する
100点を求めないことと似ていますが、ほんの少しのことでも感謝の言葉を伝えましょう。感謝されて嫌な気分になる人はほとんどいないですし、夫婦関係の修復においては大きな効果があります。
実践例:
- 「いつも美味しいごはんを作ってくれてありがとう」
- 「いつも家族のために一生懸命に働いてくれてありがとう」
- 当たり前のことでも感謝を言葉にする
ステップ3:相手を褒める習慣をつける
最近、パートナーのことを褒めましたか?相手の良いところ、良くなったところを褒めるだけで関係は確実に良くなっていきます。褒められることで少なからずいい気分になり、パートナーもあなたのいいところを見ようとしてくれるようになるからです。
ステップ4:夫婦の時間を意識的に作る
パートナーとの「会話」「スキンシップ」の時間を意識してつくることも重要。コミュニケーションなくしては良い関係を築けません。夫婦水入らずで過ごせる日があれば、お互いの愛情を再確認できるでしょう。
時間の作り方:
- 週末の夜をゆっくり過ごす時間として確保
- スマホを置いて、お互いに向き合う時間を持つ
- 家事を後回しにしても良い日を決める
ステップ5:適度な距離感を保つ
ときには「干渉しすぎない」ことも大切。夫婦別々に行動したいとき、ひとりで気持ちを整理したいときはあるはずです。相手のスケジュールや交友関係が気になる…という気持ちをグッとおさえて適度な距離感を保つことは、思いやりにも繋がるのです。
セックスレス解消のための心構え
タスク化の考え方
大事なのは、恋人時代のようなムラムラ待ちをして雰囲気が高まったらするセックスではなく、「夫婦関係をうまく回していくためのイベント」としてのセックスととらえて、タスク化しておくことです。
ただし、義務感にならないよう、「週末は夜ゆっくりすごしたいよね」「休日は一緒にダラダラしたいな」などの自然な伝え方が重要です。
幸せホルモンの活用
スキンシップを定期的にとっている夫婦はオキシトシンの分泌も活発で、幸福感や安心感を抱きやすい。スキンシップをとって、相手との愛情を形成できるだけでなく、メンタルが安定するなどの効果も得られるのです。
早めの対処が重要な理由
レス気味だったカップルが、本格的なセックスレスになる過程で多いのが「この状態はいいとは思ってないけど……」「レスって最近多いらしいし」と、違和感は感じているのにしょうがないと見て見ぬふりをしているうちに、1年2年と経ってしまうことです。
夫婦関係に限らず人間関係は、一定以上悪化してしまうと、修復することが極めて困難になってしまいます。だから、病気と同じなんです。少しでも具合が悪いなと感じたら、放っておかず、すぐに適切な「処置」をすることが重要なのです。
まとめ:今日から始められること
セックスレスは多くの夫婦が経験する問題であり、決して恥ずかしいことではありません。大切なのは、これを夫婦の絆を深めるチャンスととらえることです。
今日から始められる3つのこと:
- パートナーに素直な気持ちを伝える 「最近、二人の時間が少なくて寂しく感じている」など、率直な気持ちを共有する
- 小さなスキンシップを意識する 手を繋ぐ、肩に手を置く、隣に座るなど、できることから始める
- 感謝の言葉を毎日伝える 当たり前のことでも「ありがとう」を意識的に口にする
私たちは絶対に大丈夫!と過信せず、まずは夜の生活について彼と話をしてみることが大事。今後、ふたりがどういう夫婦生活を営んでいきたいか?ということを話し合うことから始めてみませんか。
夫婦関係の修復は一朝一夕にはいきませんが、お互いを思いやる気持ちがあれば、必ず道は開けます。今日という日が、あなたたち夫婦がもう一度ラブラブになるための第一歩となることを願っています。
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